弁当の日
「弁当の日」というのがあります。
「子供たちだけで作る」「5.6年生だけの行事とする」「10月から毎月5回行う」という仕掛けで、行う学校の行事です。 昨年は、全国で500校、宮崎では全国一位の130校で行われたそうです。
「弁当の日」を考案し全国に広げられた、とっても深~い竹下和男先生の詩をぜひ、読んで頂きたいと思います。
【弁当を作る】
あなたたちは、「弁当の日」を2年間経験した最初の卒業生です。
だから11回、「弁当の日」の弁当作りを経験しました。
「親は決して手伝わないでください」で始めた「弁当の日」でしたが、どうでしたか。
食事を作ることの大変さがわかり、家族を有難く思った人は、優しい人です。
手順良くできた人は、給料をもらう仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。
食材がそろわなかったり、調理を失敗したりした時に、献立の変更ができた人は、工夫のできる人です。
友達や家族の調理の様子を見て、一つでも技を盗めた人は、自ら学ぶ人です。
かすかな味の違いに調味料や隠し味を見抜いた人は、自分の感性を磨ける人です。
旬の野菜や魚の、色彩・香り・触感・味わいを楽しめた人は、心豊かな人です。
一粒の米、一個の白菜、一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。
スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は賢いひとです。
食材が弁当箱に納まるまでの道のりに、たくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。
自分の弁当を「おいしい」と感じ「うれしい」と思った人は、幸せな人生が遅れる人です。
シャケの切り身に、生きていた姿を想像して「ごめん」が言えた人は、情け深い人です。
登下校の道すがら、稲や野菜が育っていくのをうれしく感じた人は、慈しむ心のある人です。
「あるもので作る」「できたものを食べる」ことができた人は、たくましい人です。
「弁当の日」で仲間がふえた人、友達を見直した人は、人と共に生きていける人です。
調理をしながら、トレイやパックのゴミの多さに驚いた人は、社会を良くしていける人です。
中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界を良くしていける人です。
自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。
家族が弁当作りを手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。
「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。
家族がそろって食事をする事を楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。
滝宮小学校の先生たちは、こんな人たちに成長して欲しくって2年間取り組んできました。
おめでとう。
これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。
「弁当の日」を通じて、もっと、大人が人生に真剣に向かい合って本気で生きている姿を子供たちに見せないといけない。 あこがれの気持ちを持てるようにしないといけないと、教えられます。
以上です。
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