社員への手紙 その31
今回は、平成16年4月28日に書いた5月度の手紙です。
拝啓
昨日は、春の嵐が吹き荒れました。寒さが戻ったり、5月なみの暖かさとなったり、気候の変化の激しい時期です。きちんとしたリズムで生活をし、体力を落とさないよう気をつけましょう。
我が社の会計年度も、はや半期が過ぎ、残りの5ヶ月余りとなりました。業績に関しては、みなさんに報告したとおりです。大変厳しい環境の中、全員で頑張っている成果が少しづつですが、表れてきています。皆さんの頑張りが良い結果に結びつくようにしていきたいものです。
会社の業績や方針などを事あるごとに皆さんに報告するようにしています。会社の目標や現在の状態を一部の人だけが知っているのではなくみんなにオープンにして一人一人が必要なことを自分で考えられるようにと思ってのことです。 しかし、会社の利益と個人の利益がつながっているということを理解してもらうことは、大変むずかしいことです。会社はどういう状況であれ、自分の生活や習慣や考え方は守りたいと考えがちです。会社は多くの人が働く場です。自分の考えばかりを主張するばかりではなく、お互いに向かい合って話し合い、会社を働きやすい場にし、全員にとって利益になるように、譲り合い助け合うことも大事です。
目には、見えない会社の社風を育てていくことが大事だと分かっていても、話し合う環境すら作ることができていないことを感じています。一人一人の長所、その人の持っている特長、その人にしかない個性を認め合う関係作りをしたいと考えていますが、そのことと、会社として、組織として守るべきルールを一人一人がまもっていくということが、時々相反してしまいます。価値観や思想に違いはあっても、おたがいを尊重し違いを認め合って協力し合うことが非常に大事だと思っています。
皆さんが水曜日の早朝からの清掃に協力してくれています。清掃をすることですぐ会社が変わるものでもありません。業績にすぐ結びつくものでもありません。しかし、決して無駄にはならないと思います。会社がきれいになり、工場内がきれいになり、みんなが小さなことに気付くようになり、小さなムダが少なくなり、なにかが変わっていくことを期待します。大きなことを達成するにも、まずは小さな一歩からです。
今年も、5月に入ってから面談を開始します。短い時間の中ではありますが、みなさんが日頃感じていることや持っている思いを聞かせていただきたいと思います。自分がやりたいこと、抱えている問題、会社に望むこと、などなど、気軽にまじめな話をしましょう。
敬具
会社って何? 会社は仕事を作り・実行する場、自分の学び・成長の場、ではないでしょうか? そして、一つの目標や理念を大事にし、同志とともに、人生を充実させる場ではないでしょうか? そうでなければ、いろいろな困難に直面しても我慢して、お金を稼ぐだけの場となってしまい、苦痛以外の何物でもありません。
会社って何? 何のために働いているの? という問いに対しての自分なりの答えを持つ事が大事だと思っています。
以上です。
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