福岡同友会中小企業経営フォーラム
先日、福岡で行われた富士市インキュベーション施設の所長をしている小出氏のセミナーに参加した時の事です。隣に座った方が、福岡同友会の方でした。
「今度、県のフォーラムをするんだけど、参加してみない?」 手帳を空けると、たまたま空いていました。0.2秒の返事です。「わかりました。参加します」
「12の分科会があるんだけど、どれがいい?」、と問われて、「どれがよさそうですか」と聞くと、「業種から言うと、第6分科会の鐘川製作所の社長が報告する『失敗に学ぶ企業経営』かな?」、との答え、「わかりました、6分科会でお願いします」ということで、26日に行われた福岡同友会のフォーラムに参加してきました。
さすがに福岡同友会です。全国大会規模の1000人を超える参加者が集まり、ヒルトン福岡シーホークで行われました。
基調講演は、今話題の日本理化学工業㈱の大山会長のお話しでした。「日本で一番大切にしたい会社」といわれるようになるまでの経緯などを、穏やかな語り口の中にも、熱い思いをこめて話をされました。
働くことに対して、労働は神様から罰として与えられた苦役と考える、西洋とは違う価値観・仕事観をもつ日本という国で、“働く事の幸せ”を大事にするべきだと訴えられています。そして、知的障害を持った方も含めて、社員全員がそれを実感できる経営を行っていきたいという、人間愛に満ちた哲学とその実践を行っていらっしゃいます。
あるお坊さんから言われた問題提起がその後の考え方に大きな影響があったとおっしゃいます。
「障害を持った方が施設などで大切にされれば幸せなのか?」、「“人間の究極の幸せ”とはなにか?」
それは、“愛される事”、“褒められる事”、“人の役に立つ事”、“必要とされる事”。
「“4つの幸せ”は、仕事を通して得られるものだ。企業は、その、人を幸せにする場を提供する大事な役割がある。」「天の神様は、どんな人にも世の中の役に立つ才能を与えてくださっている。」
様々な人に働く場を提供することによって、企業によし、国によし、国民によし、そして、障害者によし、の四方一両得が実現できるといわれています。職人文化をもつ日本だからこそ、障害者雇用ができる。知的障害者を雇用する事で、人間の生き方、企業のあり方、国のあり方に関する“気づき”が得られる、とおっしゃっています。あらためて、同友会のいう“人間尊重の経営”の意味を考えさせられました。
第6分科会では、鐘川製作所の鐘川喜久治社長の「失敗に学ぶ企業経営」というテーマでの報告でした。自社の失敗事例とそこから学んだ事を赤裸々にお話しいただきました。全てをオープンにする姿勢に、経営者としての自分への厳しさと覚悟をひしひしと感じました。
人は必ず失敗をするのだから、失敗に学べない企業は危ない。失敗体験の検証をして、そこに学ぶしかない。社長は常に謙虚で反省をし、失敗に学び、社員に学べ! 多くの経営危機を乗り越え、他社の失敗事例を見てこられた、鐘川社長のお話は、迫力がありました。そして、経営の本質、人間の本質を深く理解して経営されてきている事がよくわかりました。
鐘川社長の経営には及びませんが、まずは、“経営チェックシート”を活用して、自分に厳しく、信頼され尊敬される経営者になれるよう努力をしていきたいと考えた分科会でした。
フォーラム終了後、会場の外で名刺交換をした福岡同友会の会員さんから、電車までの時間に少し飲みに行こうと誘って頂き、1時間ほど、中州に行ってきました。これが、同友会のいいところです。今会ったばかりの方が、旧知の仲のようになってしまいます。また、全国大会で福岡の皆さんとお会いできるのが楽しみになりました。
以上
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