社員への手紙 その11
拝啓
立秋も過ぎ、朝晩はめっきり肌寒くなりました。
特に今年の夏は暑さが厳しかったこともあり、急激な気候の変化で体調を崩しやすい時期です。
夏ばてなどしないように、お体には十分お気をつけください。
日本ハムの子会社による食肉偽装事件が発覚してから、流通や外食チェーンを中心に原料の仕入先を日本ハムから切り替える動きが活発化しています。スーパーからも日本ハムの製品が撤去されるシーンがテレビで何度も放映されました。グループ全体の売上から言えば取るに足らない金額の補助金を不正に得ようとしたがためにグループ全体の存続にまで影響する事件に発展しました。我が社のお得意様である地元の食品工場と密接な関わりのある日本ハムですので、直接的・間接的にかなりの影響が出てくるものと思われます。
そもそも、日本ハムは業界ではトップ企業で口蹄疫や狂牛病の後でも圧倒的な勝組みでした。特に商品の開発力や販売力はもとより、食品の安全性にも他社に先駆けて積極的に取り組んでいました。BSE発覚後すぐに納入する肉に安全性を証明する検査証を添付するなど、対応が早く情報提供も充実していたと言います。また保存料の使用も真っ先に中止したのが日本ハムでした。食品の衛生に関しても大きな投資をしてきました。原料調達の段階から、製造、物流の段階を経て店頭に並ぶまで、常に5度以下に保つ仕組みを作り、それまでの10度以下から管理基準を2倍に厳しくしていました。また製造工程で雑菌が付着するのを防ぐために、エアーフィルターの能力も引き上げていました。
しかし、これまで長年続けてきたお客様の信頼を得る努力が一夜にして水疱に帰してしまいました。事件発覚後の事実関係に対する説明の不明確さと会社としての対処の仕方が世間の批判に拍車をかける結果となってしまいました。
お客様との信頼関係を築き、継続していく。この点がなければ、お客様から必要とされなくなり、会社としての存在価値が失われるということを雪印に引き続き、目の当たりにしました。
信頼を築くのに手っ取り早い方法はありません。やるべきこと、守るべきことを地道にひたすら続けることしかありません。地域社会で必要とされる会社でありつづけるために、原理原則を大事にし、当たり前のことを当たり前に実行する努力を続けていきましょう。
敬具
実は、今日は私と家内の誕生日です。勤労感謝の日が、2人の誕生日です。毎年国民の休日で、会社も年間スケジュールではお休みです。国民の休日が軒並み連休を作るために日付が変わっているのに、なぜか、勤労感謝の日だけは、この日から変わりません。
アラ50ですが、これからもっと自分と伴侶の人生を輝かせていきたい、と考える今日この頃です。
以上
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